Petitverse

こういちさんへ

早いですね。
問題(1)＜問題(2)＜問題(3)くらいの難易度で「少しプチコンでプログラミングができるようになったレベル」の人だと(1)と(2)で20分、(3)は30分はかかるだろうという想定で60分を目安設定にしました。

正解はたくさんあるため正しく動作しているならばどれでも正解とします。

Soybeanmanさんへ

その部分は特に問題はありません。
「以上」「以下」「未満」「超過」が正しく使われてないのはやはり問題と感じて「減点対象」と言いました。

Soybeanmanさんへ

それならば「大正解」です。
FOR〜NEXTの大雑把な挙動は初心者でも理解しやすいのですが、問題(1)、(2)は挙動を正確に理解していないと難しく、正確に理解していれば超簡単な問題です。

問題(1)、問題(2)の正解例

まず、FOR〜NEXTがどのような命令かを見ていくと指定した回数繰り返す命令とヘルプに記述されているため一見すると無限ループは作れないと思うかもしれません。

FOR I=1 TO 3
NEXT

Iの初期値は1（STEPを省略するためIのループ1回の増分量は1）
1回目のNEXTを実行時に1増加でIの値は2になる
2回目のNEXTを実行時に1増加でIの値は3になる
3回目のNEXTを実行時に1増加でIの値は4になる
終了値の3を超えたためループは3回で終了（ループを正常に抜けた時のIの値は4）

この基本的な仕組みを理解できていればループが終了しないように初期値や終了値や増分量を設定するだけで無限ループを作ることができます。

◎正解例1

FOR I=0 TO 1 STEP 0:NEXT

これは、FORとNEXTを1回繰り返すごとに増えるカウンタ変数の値を0に設定することでIが初期値の0から増加しないため終了値の1を超えることがないため無限ループとなります。
FOR〜NEXTのループは「カウンタ変数の値が終了値の値を超えたら終了」となるため増分値を0に設定しているならばFOR I=1 TO 1 STEP 0:NEXTのように初期値と終了値が等しい値であっても無限ループが成立します。（終了値「以上」の値で終了と勘違いしやすいため注意が必要です）

◎正解例2

FOR I=0 TO 1
I=0
NEXT

カウンタ変数の値が終了値を超えなければ無限ループになるためカウンタ変数に値をループ内で書き換えても無限ループは成立します。
I=0と書き換えておけばNEXT実行後にカウンタ変数の値が1増えても終了値と同じ1なのでループが終了することはありません。（I=0.1ならばNEXT実行後に1.1という値になり終了値を超えてしまうためループは1回で終了する）

正解例3

FOR I%=1 TO 1E10:NEXT

単なる100億回ループに見えます。
しかし、カウンタに使っている変数I%は整数型であるため最大2147483647までしかカウントできず、これを超えると-2147483648になります。
したがって、100憶を超えることはないため無限ループになります。

◎正解例4

FOR I=1 TO 1E16:NEXT

単なる1京回ループに見えます。
カウンタ変数は実数型であるため最大でおよそ2の1024乗（1.7976931348623157E308）という極めて大きな値まで対応しているのでこれでは体感上は無限ループに近いですが、実際に無限ループと言っていいか微妙に思うでしょう。
しかし、実数型がいくら2の1024乗という大きな数を扱えるといっても有効桁数の問題があるのです。

プチコン3号の実数型は一般的には「倍精度浮動小数点」と言われているものであり、仮数部52bit＋暗黙の1bitの53bitの有効桁数しかありません。
したがって、11111111111111111111111111111111111111111111111111111（←「1」が53個）が「誤差なく扱える最大の整数値」となります。
これは10進数で表記すると9007199254740991（約9007兆）となります。
これより大きな整数値は2の53乗（9007199254740992）以上、2の54乗未満の数は2の倍数値のみ、2の54乗以上、2の55乗未満の数は4の倍数値のみ…という感じで下の桁からどんどん丸められていきます。
つまり、9007199254740992の次が9007199254740994になり、実数型において9007199254740993という値は存在しないのです。
カウンタ変数の値が1ずつ増えていく場合には9007199254740992でカンストしてしまうのです。
したがって、終了値である1京を超えることがないためこのループは無限ループになります。

◎正解例5

FOR I=1 TO I+1:NEXT

プチコン3号のFOR〜NEXTはループの終了判定時に終了値を常に評価しているためI+1というのは初期値+1を意味するのではなくIの値が1増えるごとにI+1の値も1増えていきます。
上記のように9007199254740992でIはカンストし、その時点でI+1も9007199254740992となるのですが、FOR〜NEXTはカウンタ変数の値が終了値を超えた場合にループ終了となるためこれも無限ループとなります。


正解例1〜5以外にもinfやnanがインクリメントされないことを使って無限ループを作ることができます。

問題(3)の正解例

これがプチコン3号で作れる一番短い平方根を求める自作関数です。

DEF SQRT(A)
RETURN EXP(LOG(A)/2)
END

√0が求められないのがダメというのであれば下記のように記述するとよいです。

DEF SQRT(A)
RETURN EXP(LOG(A+!A)/2)-!A
END

この方法は短く高速とはいえ、実際はPOW(A,0.5)を別の書き方で書いているだけにすぎません。
他にも平方根の近似値を計算する方法はたくさんあります。
開平法、ニュートン法などあるので詳しく知りたい人はネット検索してみてください。

というわけで、いよいよ採点ですが、あえて私の方では参加者の皆さんの採点はしません。
次の採点基準を満たしていれば正解とします。

(2)の問題はカウンタで使われている変数が終了値を超えないということが書かれていれば正解です。（なぜ超えないかを理由がきちんと書いていれば完璧）
なお、「超えない」ということが重要なので「終了値以上にならない」という書き方だと残念ながら不正解（減点）となります。（例えば、FOR I=1 TO 3:NEXTはIの値が3になった時点で「3以上の値」だけど終了はしない）

(1)の問題は(2)の動作通りのプログラムになっていれば正解です。
とはいえ、実際に無限ループになっているかをテストして確かめるのは困難なのですでに機j通している正解例やそれに近いもの（原理的に無限ループになっているもの）であれば正解とします。

(3)の問題は実際に平方根の近似値が求められる仕様になっていればどのようなアルゴリズムでも正解とします。