メロディーについてより詳しく補足
(※専門用語を大量に使います。興味のある方だけ見て下さい。)
自分が作ったメロディーを自己分析する過程でフレーズを傾向ごとに分解し、事象ベクトルにしたのが上の式です。(メロディー自体は全て感覚で作りました。)
音楽は時間芸術ですから「時間」というものをどう使えばより効果的に表現する情体を聞き手に伝えられるか、また、自分の脳はなぜこのメロディーを出力したのか、それを徹底して考えるために事象ベクトルを使用しています。
自分の脳が無意識的に生み出したパターンを意識的に使えるようになれば次作曲する時に活かせますからね。
ここでは局所的に同傾向であるフレーズを複数の事象として分割し、その分布の統計をとることによって素印象の流れを観測するという試みを行なっています。
「局所的に同傾向である」とは、端的にいうと音程とリズムのパターンが似ている箇所が複数ある時に、それらの箇所を特別にまとめて言う時の呼称です。
観測した結果、事象ベクトル上に3箇所似ている繰り返しが発見できました。
それらの繰り返しをもう少し詳しく見ると、後ろの小節に行くごとに事象ベクトルを構成する項と、事象ベクトル自体の差分が強くなっていることが分かります。「差分」とは、局所的に同傾向であるがそれらが全く同じではない場合の相対的な違いの程度のことです。
つまり素印象がなだらかに変化しているということですね。
このように時間差で素印象にギャップが生まれるようにすると曲全体にストーリー性を持たせたり、深みが出たりします。
計算式について、本来は素印象について具体的な値を出すんですがここでは形だけ計算を行なっています。
また、この計算は既存のメロディーの印象の情報を求めるというものですが逆方向に計算することでメロディー作成にも強力なツールとして運用できます。(私自身はまだ完全に使いこなせていません)
メロディーに対するアプローチは他にも和音、カーネルなどがありますがここでは特に時間に着目しています。
以上、私がメロディーを作る時に無意識下で行なっていることでした。長文失礼しました。